ブルームバーグの報道によると、メルセデス・ベンツは中国での業績不振を受けて通年の業績予想を下方修正し、低迷するドイツの自動車業界にさらなる打撃を与えている。
メルセデスベンツは9月19日、主力の自動車事業の調整後利益率予想を従来の11%から「7.5-8.5%」に引き下げたと発表した。 Sクラスやマイバッハセダンなど、メルセデス・ベンツの最も高価なモデルの販売は、同社の最大の市場である中国での需要のさらなる冷え込みによって打撃を受けている。
一方、メルセデス・ベンツは、今年の利払い・税引前利益(EBIT)が昨年の水準を「大幅に下回る」と予想していると述べた。これは、より多くの高級モデルを販売して収益性を高めるという同社の戦略にとって大きな後退となる。
メルセデス・ベンツのオラ・ケレニウス最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会見で、メルセデス・ベンツが中国での新製品による販売攻勢を開始するなど、業績向上に向けて「できる限りのあらゆることを行う」と述べた。 「風が変わるのをただ待つのではなく、波に乗ります。」
これらの報告書の発表を受けてメルセデス・ベンツの株価は9月20日に7.7%下落し、日中の下落率としては昨年5月以来の大きさとなった。今年これまでのところ、同社の株価は約13%下落している。
メルセデス・ベンツの最新の電気自動車は中国の消費者の間で冷遇されており、若い消費者はより高度な車内デジタル化やエンターテインメント技術を備えた地元ブランドにますます注目している。
メルセデス・ベンツは中国での業績が低迷しているだけでなく、欧州での販売も圧迫されている。今年8月の欧州全土でのメルセデス・ベンツの納車台数は前年比13%減となり、最初の8カ月間の累計販売台数は前年比3%減となった。
電気自動車の販売低迷により、来年強化される欧州連合の炭素排出規制を遵守する自動車メーカーの取り組みが妨げられており、自動車業界は数十億ユーロの罰金にさらされる可能性がある。
利益の警告は、ドイツの最も重要な自動車産業が直面している最近のつまずきである。現在、ドイツの自動車業界は電気自動車への困難な移行と中国での利益の低迷に対処するのに苦労している。
欧州最大の自動車メーカー、フォルクスワーゲン・グループは今月、数十年続いた労働協約を破棄した。同時に、VWグループも需要の遅れを理由に初めてドイツの工場を閉鎖することを検討している。また先週、BMWグループは中国の自動車市場の低迷と電気自動車の販売不振を理由に、通年の利益率予想を下方修正した。
ドイツのロベルト・ハーベック経済大臣は来週月曜日(9月30日)にベルリンで自動車産業サミットを開催し、現在の危機を打開する方法について話し合う予定だ。